航海記19 試練のクエ釣り編②

前回も述べましたが,クエ釣りのエサには活きイカを使用します.玄界灘のある遊漁船では,夜のうちに自分たちでイカを釣り,日が昇ると同時にポイントを変えてクエ釣りをさせてくれます.釣りたてのイカを船上で食べて,夜のうちに少し酒を飲んで早朝から本命の釣りをする.釣り好きにはたまらなく魅力的に思いました.

実際にこの釣りに最初に行ったのは10月半ばでした.神湊港を夜9時くらいに出発し,夜10時くらいからイカ釣りを始めます.当初は2-3時間で50-60杯ずつ釣って,イカで一杯やって朝まで休むつもりでしたが,イカ(エサ)が釣れません.ポツリポツリです.6-8月ならばひっきりなしに釣れるのですが.そして,10月夜の海上は寒いんです.足や腹筋が吊ったりして大変でした.エサを確保しないと翌朝釣りになりませんので,やめるわけにもいかず,4時まで頑張りました.刺身だけは食べたものの,酒を飲む余裕もなく.そして,5時頃からクエ釣り開始です.

クエ釣りのポイントに着くと,夜中に釣ったイカをイケスから掬い,針にかけて釣り始めます.朝日がダークブルーの海面を水色に変え,波しぶきがキラキラして,身体もポカポカしてきます.当然,眠くなります.竿を持ちながらうとうと夢見心地で💤.夢の中では釣れているのですが,現実は厳しいものがありました.

2回目は,風波ともやや強かったのですが,明け方まで頑張ってイカ釣りをして,クエ釣りのポイントまでキャビンで気持ちよく仮眠していました.随分移動時間が長いなぁと思っていたところ,辺りが明るく騒がしくなっていました.キャビンから出ると港に帰り着いていました.波風が増して帰港してきたとのことでした.一晩中,イカ釣りしただけでした.

しかし,3回目に最大のチャンスが訪れました.詳細は次回に.

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